Blender入門#31:レンダリング

背景透過レンダリング Blender
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これまでの記事では、レンダリング結果を3Dビューの「レンダー」モードで見てきましたが(前回、最後にレンダリングした結果をみせましたが)、作品を最終的な画像として出力するにはレンダリングをする必要があります。レンダリングに関する設定を、前回ワールド設定したシーンを使って説明します。

 

Step 1

プロパティ・エディターのヘッダーにある「レンダー」タブを開きます。

表示された「レンダー」パネルに「レンダー(Render)」ボタン、「アニメーション(Animation)」ボタン、「音声(Audio)」ボタンがあります。

レンダーパネル

「レンダー」ボタンを押すと静止画のレンダリングが実行されます(ショートカットキーは「F12」キー)。
「アニメーション」ボタンは動画のレンダリングです(ショートカットキーは「Ctrl」+「F12」キー)。
「音声」ボタンは、サウンドオブジェクトやNLAによってシーンに追加した音声を出力するものです。

その下には、レンダリングした画像をどこに出力するか選択するプルダウンメニューがあります。主に使うのは、「別ウィンドウ(New Window)」、「UV/画像エディター」かと思います。なお、ここでの設定では、レンダリング画像をファイルとして出力することはできません。画面上での出力先です。ここではデフォルトの「UV/画像エディター」のままにしておきます。

レンダー出力先

 

[GARD]

 

Step 2

次に出力する画像の大きさを設定します。設定する場所は「寸法(Dimensions)」パネルです。予めプリセットも用意されていますが、自分で設定する場合は、以下のプロパティを使います。

寸法パネル

 

解像度の「X」、「Y」とその下のパーセント。XとYは画像の大きさをピクセルで設定します。その下のパーセント表示になっている部分は、X,Yで設定した大きさの何パーセントの大きさで実際に出力するか設定します。これは、CG制作においては多くの場合、最終的な画像は大きなサイズになると思うので(Web利用以外)、テストでレンダリングするときは、そこまで大きく表示されなくてもいい場合に、例えば50%の大きさとか指定します(画面に納まる程度に)。

このチュートリアルでは画像の大きさは適当に設定してください。デフォルトのままでも構いません。

 

Step 3

「F12」キーを押すか、Step 1で説明した「レンダー」ボタンを押してレンダリングしてみてください。3DビューがUV/画像エディターに切り替わり、レンダリング結果が表示されます。

 

レンダリング結果

 

Step 4

レンダリングした結果を保存するには、この画面上で「F3」キーを押します。

キーを押した後、画面は下図のような保存先を指定するためのファイルブラウザ画面に切り替わります。画面左側の一番下に表示されている「画像を別名保存(Save As Image)」パネルで保存する画像のフォーマットを選択することができます。保存フォルダの指定、ファイル名をファイル名入力し終わったら、右上にある「画像を別名保存(Save As Image)」ボタンを押します。これで画像ファイルとして保存することができました。

ファイルブラウザ

 

 Step 5

保存して元の画面に戻ったら、レンダリング結果が表示されているUV/画像エディター上で「Esc」キーを押せば、元の3Dビュー画面に戻ります。再度、レンダリング結果を表示させたいときは、「F11」キーを押します。

 

Step 6

レンダリングは設定によっては時間がかかる作業です。作業中にテストレンダリングしたいときは、画像の一部だけレンダリングすることで時間を節約することができます。

3Dビューの画面でテンキーの「0」キーを押し、カメラビューにします。「Ctrl」+「B」キーを押し、レンダリングしたい部分だけ、マウス左ボタンを押しながらドラッグして指定します(赤枠=ボーダーを設定します)。

なお、「Ctrl」+「B」キーはバージョン2.73からはレンダリング結果が表示された画面でも設定できるようになりました。ただし、赤枠は表示されません。

ボーダーレンダリング

 

Step 7

この状態で、「F12」キーでレンダリングすると下図のようになります。

 

ボーダーレンダリング

 

Step 8

「Esc」キーで3Dビューに戻ります。このボーダーを解除するには、「Alt」+「Ctrl」+「B」キーを押すか、プロパティ・エディターの「レンダー」タブにある「寸法」パネルの「ボーダー(Border)」のチェックを外します(ボーダーを設定すると、このプロパティが自動的にオンになります)。

ボーダー設定

 

Step 9

ボーダーを解除した状態で、もう一度レンダリングしてください。UV/画像エディターのヘッダー部分に「スロット(Slot)」というメニューがあります。これはレンダリングした結果を1~8のスロットに保存しておける機能です。これを使うことで、前回レンダリングした結果と比較することができます。

スロット

 

最初にレンダリングした結果は「スロット1」に保存されます。なお、日本語UIの場合、スロット番号が表示幅の関係で見えなくなっています・・・。バージョン2.73からはスロット名を変えることができるので、日本語でも区別がつくようになりました。以下に説明します。

ちなみに英語UIではこんな感じで違いが分かる。

スリット英語表示

では、スロット2を選択してください。そして、「Esc」キーで3Dビューに戻ります。分かりやすいように、何か設定を変えてみましょう。ワールド設定の「天頂カラー」をオレンジ色にします。

fig10

 

Step 10

「F12」キーでレンダリングします。レンダリング結果が下図のように表示されたはずです。

f7

 

 

ここで前回の結果(スロット1)をヘッダーのリストから選択して切り替えても良いですが、UV/画像エディター上で「J」キーを押すことでも切り換えることができます。

 

スロット切替

 

Step 11

レンダリング結果が表示されている画面で、「N」キーを押します。右側に表示された「表示(Display)」パネルで、「スロット名(Slot Name)」を入力すると、それがスロット名となりヘッダー部分のリストに反映されるので便利です。下図はスロット名に日本語を使っています。バージョン2.73から日本語が入力値としても使えるようになりました。

スロット名設定

 

その結果、リストの表示がこうなります。

スロット名

 

Step 12

次に背景は透明にした状態で出力したいというケースがあります。プロパティ・エディターの「レンダー」タブを開き、「シェーディング(Shading)」パネルの「アルファ(Alpha)」がデフォルトでは「背景(Sky)」になっていますが、これを「透過(Transparent)」にします。

透過レンダリング

 

この状態でレンダリングすると、背景が透明な画像が出力されます。

 

背景透過レンダリング

 

Step 13

「F3」キーで保存する際は、アルファチャンネルが保存できる形式を選択します。例えば、ポピュラーなのはPNG形式ですが、「F3」キーを押したあと、ファイルブラウザのファイル形式の部分で「RGBA」ボタンを必ずオンの状態にして保存する必要があります。RGBAのAが透過情報を保存するアルファ・チャンネルを意味しています。

保存形式