Blenderのカメラ設定について(画角)

Blenderのカメラ設定について Blender
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Blenderのカメラ設定の焦点距離やセンサについて備忘のためにまとめておく。カメラの設定では、焦点距離(Focal Length)やカメラの撮像素子(センサ)の大きさについて設定することができる。これにより画角(=視野角)が決まる。つまり、以下の式が成り立つ。

焦点距離と画角の関係図

Blenderでは、画角を直接入力することでカメラ設定を行うこともできるが、市販のカメラを模擬する場合、市販カメラのスペック表では画角ではなく、焦点距離の範囲とセンサについて情報が与えられているだけなので画角でカメラ設定することはできない。

例えば、市販のデジタルカメラのスペック表で、焦点距離が550mm、撮像素子:6mm 1/3型)CMOSセンサと書かれていたとする。このセンサ素子(像を受光部分)のサイズは、テレビ画面のインチ計算と同じ考え方で、1/3型というのは、1/3インチのことを指しており、有効な受光面の対角線長が6mmになる(センサ部の物理的な対角線長とは異なる)。これより、アスペクト比が43の場合は、4.8×3.6mmが受光面の有効サイズ。アスペクト比が169の場合は5.2×2.9mmということになる。

(センサ素子のアスペクト比が4:3のとき)
撮像素子サイズ4:3

(センサ素子のアスペクト比が16:9のとき)
撮像素子サイズ16:9

実際のカメラを模擬するには、下図のようにカメラの動画や静止画の撮影モードにより上下や左右が切り取られるので、その比から有効サイズを求めたセンサ素子の有効サイズを用いる必要がある。

撮影モードと有効サイズの関係例

この記事では最大の有効サイズのときを考え、最大の画角を求める場合は焦点距離が最小のときであることから5mmを使い、上記の式から、

①センサ素子サイズが43のときは、垂直方向の画角θ139.6 deg
②センサ素子サイズが169のとき、垂直方向の画角θ232.3deg

が求まる。

Blenderのカメラ・オブジェクトのプロパティに入力するには、センサ素子サイズが4:3のときの場合、プロパティ・エディターの「Lens」パネルの「Focal Length」に5を、「Camera」パネルの「Sensor」部分では素子の長さを合わせる方向を「Vertical」にして、「Height」に1/3型のセンサ素子サイズの高さ3.6mmを入力する(「Horizontal」を基準にしても可)。

カメラプロパティ設定

これにより3D View上のカメラ・オブジェクトの四角錐の部分の形状も連動して変わる。この四角錐の部分を測ると、上記の計算で求めた角度になっていることが分かる。つまり、カメラ・オブジェクトの四角錐の部分は画角を正確に表している(分度器ツールの精度が悪いので小数点以下は誤差範囲)。これにより、視野の範囲が3D View上で確認できる(「S」キーでオブジェクトを拡大すると、画角を保ったまま拡大できるため)。

画角

これは「Lens」パネルのFocal Lengthの右側にあるプルダウンメニューから「Field of View」を指定したときに、左側に表示される画角にも一致していることで確認できる。

FOV値

なお、「Render」の「Dimensions」パネルの設定でレンダリング画像の出力サイズを設定できるが、サイズをセンサ素子のアスペクト比にあったサイズを「Resolution」に指定し、「Aspect Ratio」を1:1にすることで上記結果と同じになる。これは当たり前だが、プリセットで指定した場合、「Aspect Ratio」値が1:1でなくなるので修正が必要。

以上、Blenderのカメラ設定について。

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