このサイトではBlenderやMaxwell Renderの使い方を初めての方でも分かり易いように解説したチュートリアルと藤堂+の作品やCGに関連した参考書、Webサイト、CG(VFX)を使った動画を紹介しています。

CGrad Project Logo

Maxwell Renderチュートリアル

4.レンダリング

レンダリングするまでにはマテリアル設定など設定することがまだありますが、本チュートリアルを進めるにあたって1つ1つの解説ごとにレンダリング結果を確認していきたいと思うので、細かい設定は後の章で解説するとして、まずはレンダリングできるように設定してしまいましょう。


まずは計算負荷の高い複雑なマテリアル設定を避け、単純なデフォルトのマテリアルを使いレンダリングしてライティング設定やカメラ設定をする方が効率が良いです(Maxwell Render 2からはマテリアルを設定した後でも、いつでも一括してデフォルト・マテリアルの設定にしてレンダリングすることができるようになりました)。読み込んだシーンにカメラを配置します。画面左のCamera Parametersパネルの最上部で右クリックし表示されたメニューから「New Camera」を選択します。なお、Camera ParameterパネルはRender Optionパネルとタブ構成になっているので、画面表示がCamera Parametersでない場合は、画面一番下のタブで表示を切り替えます。これで1つカメラがシーン内に追加されました。カメラはViewportにおいて、視点がPerspectiveの場合はカメラオブジェクトをViewport上に見ることができますが、視点がCameraの場合は視点がカメラに固定されているのでカメラ自体は表示されません。Camera Viewの場合、Viewport中央に焦点距離やD.O.Fに関するパラメータが表示されています(これらは19章 カメラ設定で解説します)。


Perspective Viewの時 Camera Viewの時

Camera ViewにしているときはViewport上での視点の動き(3章 Maxwell Studioの基礎 Step 2の操作)はそのままカメラの位置、ズームなどの動きになります。詳細なカメラ位置設定をする場合ははCamera Parametersパネルでするのがよいでしょう。下図のようにカメラの視点を設定します。


カメラ位置の設定完了図 カメラ位置の設定

Camera Parametersパネルで、Shutter、ISOの設定値を以下のようにします。


カメラ位置の設定

次にEnviromentの設定をします。画面右側のEnvironmentパネルでは以下のように設定します。Colorは、RGB(240,240,240)です。


Environment Sky Domeの設定

画面左側のRender Optionsパネルにてレンダリングの設定を行います。以下のように設定して下さい。特に示していないものはデフォルトのままです。
また、パネル上の「Image」と「MXI」はレンダリングした画像とレンダリングデータ(後で再利用のために作成されるファイル)の出力先のパスを設定するものなので、ご自身の環境に合ったものを設定してください。


Render Option設定

以下に必要最低限のオプションの解説をします。


Timeレンダリング時間です。この時間に到達するか次のSample Level設定値になるまでレンダリングを続けます。
Sampling Levelレンダリング完了のSampling Levelです。Sampling Levelが設定値になるかレンダリング時間になるまでレンダリングを続けます。
MultilightMultilight機能(後で説明)のオン/オフ。オンの場合は光の強さのみか、強さと色を使うか設定できます。
CPU Threadsレンダリングに使うCPUスレッド数の設定。0を指定した場合はそのPCで使用することができるCPUスレッド数でレンダリングします。
Priorityレンダリングプロセスの優先度。OS上の稼動タスクのプライオリティです。計算速度が遅いPCでレンダリングを行いつつ、他の作業をしたい場合は「Low」の方がいいかもしれません。
Resolution出力画像のサイズ。
Depth出力画像の色深度。8bitsカラーか16bitsカラーかを選択できます。
Image出力画像の出力先パス。
MXI出力時に作成されるMXIファイルの出力先パス。
Color Space出力画像の色空間(色域)の種類。
Channels出力画像の種類。詳細は後で解説します。

ではレンダリングしてみましょう。ツールバーの中から「Render」ボタンをクリックします。すると、オブジェクトにマテリアルを設定していないので、デフォルトのマテリアル(灰色)を適用しますか?と聞いてきます。「Yes to All」を選択すると、マテリアルが適用されていない全てのオブジェクトにこのマテリアルが設定されます。

レンダリング時はMaxwell Renderが別ウィンドウで開きます。レンダリング中に、Shutter、ISO、Environment、Intensityなど変更すると光の強さを変えることができます。これをMultilightといいます。各部のスライダで各値を変更します。Render OptionでMultilightの設定でColor+Intensityを選択した場合は光源の色もレンダリング中に変更することができます。画面下部にある「S」=Soloはその光源以外はオフにし、「M」=Muteはその光源をオフにします。 変更した値はまずPreview画面に反映されます。Sampling Levelの更新毎にレンダリング結果に自動的に反映されていきます。レンダリングを途中で止めるには画面上部の「Stop」ボタンを押します。


Maxwell Render画面

一度、Stopしたレンダリングを続けて再開したい場合には、もう一度「Render」ボタンを押すと、再開するか、最初からやり直すか聞いてきますので「Resume」を選択すると、Stopしたところから続けてレンダリングを再開できます。


レンダリングの再開方法

一旦、Maxwell Renderを閉じた後に再開したい場合(Maxwell Studioから再レンダリングしたい時ではなく、Maxwell Renderを立ち上げて、そこからレンダリングしたいときのことです)、前回レンダリングに使用したMXSファイルをMaxwell Rende上で開きます。MXSファイルにはImageとMXIファイルの出力先が記録されているので、そのパスに以前レンダリングしたときに作成されたMXIファイルがあると上記のようなダイアログが表示され、レンダリングを再開することができます。

レンダリングの結果は以下のようになるはずです。


レンダリング結果了

ちなみにレンダリング後にも光源などの設定を変更することができます。変更した値はすぐには反映されず、一旦、画面左下のPreviewに表れます。この部分にある「Refresh」ボタンを押すと変更が反映されます。満足いく状態になったら、「File」→「Save Image」で保存します。通常はサンプリングが更新される度に自動的に画像は保存されますが、レンダリングが終了した後に自分で光源の強さなどを変更した場合は自動的に保存されません。