このサイトではBlenderやMaxwell Renderの使い方を初めての方でも分かり易いように解説したチュートリアルと藤堂+の作品やCGに関連した参考書、Webサイト、CG(VFX)を使った動画を紹介しています。

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Maxwell Renderチュートリアル

20.パス毎のレンダリング

後でレンダリングしたものを合成したいときや、レンダリングした後に一部の色を変更したいときなど効率的に作業するにはパス毎にレンダリングするのが一番です。パスはMaxwellではChannelといいます。 Maxwell RenderではDiffuse、Reflection、Alpha、Z-buffer、Shadow、Material ID、Object ID、Motion Vector、Roughness、FresnelといったChannelに分解してレンダリングできます。では前の章のシーンを使って解説します。Render OptionsパネルのChannelsにおいて、出力したいChannelを選択します。デフォルトではDiffuse+Reflectionのみです。では、Alpha以下のものを全てオンにします。Z-bufferの右にあるのはカメラの視線方向でどの範囲をZ-bufferとして出力するか設定するもので、左の数値は手前側の始点、ら右の数値は終点になります。ここでは0~30mを設定します。


Channelの設定

これをレンダリングします。すると、画面にはDiffuse+ReflectionのChannelがまず表示されます。他のChannelを表示するには画面上の左横に表示されるアイコンにより切り替えます。


レンダリング時のChannel表示切替

以下がレンダリング結果です。Shadowが真っ白、Motion Vectorが真っ黒になっています(実際には透明な画像です)。Motion Vectorはシーンのオブジェクトに速度成分によるブラー情報があると出力されます。Shadowを表示するには次のStepで説明する設定が必要です。


レンダリング結果(Diffuse+Reflection) レンダリング結果(Alpha) レンダリング結果(Z-buffer) レンダリング結果(Shadow) レンダリング結果(Material ID) レンダリング結果(Object ID) レンダリング結果(Motion Vector) レンダリング結果(Roughness) レンダリング結果(Fresnel)

Shadow Channelを出力するには影が落ちる側のマテリアルに設定が必要です。例えば、地面や台に設定されているdefaultのマテリアルを選択し、Material EditorのMaterial Propertiesの最上位部分を選択します。すると、下図のようなパラメータが表示されるので、ここでShadowをオンにします。


Shadowの設定

これでレンダリングしたShadow Channelの出力結果は以下の通りです。defaultマテリアルを使用している部分のみ影が出力できました。monkey自体に落ちる影も出力したいときはmonkeyに適用しているマテリアルのShadowもオンにします。


Shadow Channelのレンダリング結果