このサイトではBlenderやMaxwell Renderの使い方を初めての方でも分かり易いように解説したチュートリアルと藤堂+の作品やCGに関連した参考書、Webサイト、CG(VFX)を使った動画を紹介しています。
Environmentによりシーンを照らす方法について解説します。Environmentには3種類あります。Sky Dome、Physical Sky、IBLです。Sky Domeはすでに使用していますが、順に解説していきます。以下よりここで使うシーンデータをダウンロードしてください。
次にPhysical Skyを解説します。EnvironmentパネルのTypeを「Physical Sky」に設定します。Cityでは「Japan」→「Tokyo」を選択すると、緯度経度情報が東京に設定され、GMT(世界時)との時差も自動に設定されます(東京はGMT+9時間)。日時は下図の通りにします。Phisical Skyは日時により太陽光の色、強さが変化します。Ground Rotationはシーンの北方向がどの方向に向いているかを設定するものです。ここでは100に設定しました。なお、CityのプリセットはMaxwell Renderのインストールフォルダにある”cities.txt"ファイルに記録されているので、このファイルにいくらでも新しい場所を追加することができます。なお、Viewport上で「K」キーを押すとEnvironmentパネルで設定した内容のプレビューをViewport上で確認できます。
なお、Environmentパネルの下の方にある地球儀上でもマウスで左ボタンドラッグすることで位置を変更するができます。
EnvironmentパネルではAtmosphereという部分で大気成分を調整することができます。これにより大気と大気中を通過する光との干渉が変化し、空の発色を変更することができます。ここでは解説のために時刻を12:00に戻します。また、カメラ設定でShutterを200、ISOを100にします。このレンダリング結果は以下の左側の画像の通りです。次にTurbidity Coefを0.7にします。これは大気中の粒子量を設定するもので、粒子が多いほど光は衝突を起こし拡散され、この結果は曇り空のようになりました(2つ目の画像)。今度はTubidity Coefを元の0.04に戻し、Wavelength Expを20に変更します。これは大気中の粒子の平均的な大きさを設定するもので、値が大きくなると空が黄色、緑色へと変わっていきます(3つ目)。次にWavelength Expをデフォルトの1.2に戻し、Ozoneを4cmにします。これは大気中のオゾンガスの量を意味し、値が大きくなると全体的に青色が強くなっていきます(4つ目)。次は時刻を16:20にし、Waterを30にします。これは大気中の水蒸気の値で日の出、日の入り時刻の空に影響を与えます。値が大きいと空は夕焼けのようになります(5つ目)。
さて、次はIBL(Image Based Lighting)です。これはシーンを包むような球体を考えたとき、その球体に貼り付けられたテクスチャの情報をライトとして使うもので、一般にHDR画像を用います。これにより、よりリアルな感じになります。なお、HDR画像は円形のではなく横長のものを使います。では、EnvironmentパネルのTypeを「IBL」に変更します。そして、BackgroundプロパティのMapにテクスチャを読み込みます。テクスチャはMaxwellのインストールフォルダにHDRIフォルダがあるので、その中から”dh216.hdr”を使います。Backgroundは背景部分にしか表示されないのでライティングには関係ないですが、このBackgroundパネルに「Apply To All」というボタンを押すと、読み込んだテクスチャが他のプロパティ(Reflection、Refraction、Illumination)にも一度に適用されるので便利です。今回のテクスチャはちょっと粗いのでEnvironmentパネル上部にあるInterpolationにチェックを入れて、テクスチャにスムージングをかけます。設定は以下のようになったはずです。レンダリングした結果は以下の通りです。ISOやShutterは適宜調整して下さい。
もう1つHDR画像を変更してみましょう。今度は"skiesv2_01.hdr"を使ったときのレンダリング結果です。