ディスプレイのキャリブレーション

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ディスプレイのキャリブレーションについて。

まず、キャリブレーションが何故必要かというと、ディスプレイは製品により発色が異なります。これは厳密には個体ごとに異なります。ディスプレイの発色が正しくないと、制作した作品が他の人の環境では同じ色にならなかったりします。もちろん、相手のディスプレイの発色が正しくない場合もありますが、せめて自分のところでは正しい設定をしておきたいところです。

例えば、クライアントから色の指示が来て、それが自分のディスプレイでは暗すぎておかしいな?という状況のとき、キャリブレーションしておけば、「おかしい」ことが判断できるようになります。また、デュアルディスプレイ環境や外出用にノートPCを持っている場合など複数のディスプレイがある場合には、それらのディスプレイ間で同じ色で表示しておきたいです(ノートPCだと輝度ぐらいしか調整できないですが・・・)。

キャリブレーションにはソフトウェアで行うソフトウェア・キャリブレーションと、専用の計測機器を使って行うハードウェア・キャリブレーションがあります。ソフトウェア・キャリブレーションは人の目を使うので曖昧になります。私もソフトウェアでの調整は、本当にそれで合っているのか分からなくなります。なので、専用の計測器を使ったハードウェア・キャリブレーションがおすすめです。

私は現在はX-Rite社のi1 Display Proを使っています。これを使った設定方法を以下にまとめました。参考になればと思います。

①キャリブレーション方法
②作成したプロファイルの検証方法
③ディスプレイの表示エリアごとの検証方法

 

 

①キャリブレーション方法

キャリブレーションを実行する前に、ディスプレイの電源を入れたばかりの状態で行うのではなく、10分くらい表示させた後に行います。また、ディスプレイ画面に汚れがある場合にはきれいにしておきます。

付属のソフト(i1 Profiler)を起動すると以下の画面が表示されます。まず、右側のユーザーモードを「詳細」にします(ここでは簡易モードでの説明はしません。どうせやるなら詳細モードで)。次に左上の「プロファイルの作成」をクリックします。

 

 

すると、次の画面が表示されます。

 

この画面でディスプレイの設定を行います。

 

上から見ていきますが、最初に使用しているディスプレイのバックライトのタイプをプルダウンメニューから選択します。自分のディスプレイが何に該当するかはマニュアルやネットなどで調べる必要があります。ちなみに、リスト中のCCFLとは、冷陰極管のこと。今はLEDが主流なので古いディスプレイがCCFLを使っていると考えていいです。OLEDは有機ELディスプレイのことです。

次に白色点の設定ですが、基本的には写真関連でも使用する「CIEイルミナントD65」にします。

その下の輝度ですが、ディスプレイが置かれている部屋の照明にも影響を受けるので、プリセットされている固定値を使用するのではなく、実際に測定させる「測定」を選択します。すると、右側に「測定」ボタンが表示されるので、ボタンをクリックして測定します(画面の指示に従う)。測定が完了したら、「測定値を使用」ボタンを押します。保持しておきたいなら、「名前を付けて保存」です。

 

ガンマはデフォルトの2.2のまま。
コントラスト比はディスプレイ固有の値である「固有の値」を選択。
フレア補正はチェックを入れて有効にします。これはディスプレイのテカリを補正するためのものです。
最後の環境光のスマートコントロールにもチェックを入れます。これは計測した環境光で色プロファイルを補正させます。

以上が終わったら、右下あたりにある「次へ」ボタンを押します。

次の画面ではプロファイルのバージョン、タイプを選択しますが、「デフォルトを使用」でOKです。設定したら、「次へ」ボタンを押します。

 

次の画面では測定に使用するパッチセットを選択します。細かい方が精度がよくなるので、パッチセットサイズを「大」にします(下図は「大」を選択したときの表示)。設定したら「次へ」ボタンを押します。

 

次に表示された画面では、ディスプレイの設定に該当するものにチェックを入れます。もし、ディスプレイがキャリブレーションにより自動的に設定できるなら「自動ディスプレイコントロール(ADC)」をオンにします。それ以外の場合は、その下の「ブライトネス、コントラスト、RGBゲインを手動で調整」をオンにします。

その後、右側に表示されている「測定を開始」ボタンを押します。

 

測定を開始すると、最初にフレア補正の計測を行います(フレア補正をオンにした場合)。画面の指示に従って計測を行います。完了したら、「次へ」ボタンを押します。

 

次の画面では計測器の設置とディスプレイの設定を工場出荷状態にします。また、ディスプレイの手動調整が可能な項目にチェックを入れます。完了したら「次へ」ボタンを押します。

 

コントラスト計測が行われ、ディスプレイの手動設定を選択した場合、白色点の計測結果から手動で調整します。
なお、下図のようにディスプレイの設定画面が画面中央に表示されるものが多いので、計測器はそれに被らないように少し中央からずらして配置した方がよいです。

 

画面左上に表示された品質のインジケータが中央のラインに合うようにディスプレイのRGB設定を調整します。細かい調整は、画面下に表示されている基準値と現在値で合わせた方が判断した方がよいです。ちなみに私のディスプレイでは(R,G,B)=(129,145,254)で合いました。下図は調整が完了した状態の画面表示です。調整が正しく行われたものにはチェックマークが付きます。完了したら「次へ」ボタンを押します。

 

次はブライトネスの調整です。今度はディスプレイのブライトネス設定を調整しながら、同じようにインジケータの中央になるように(ターゲットの白色輝度値になるように)調整します。完了したら、「次へ」ボタンを押します。

 

続いて、パッチパターンを用いて計測が行われます。パッチサイズを「大」にした場合は約7分かかります。

 

これが完了したら「次へ」ボタンを押します。

表示された画面の左上にある「プロファイル名」に作成するプロファイル名を入力します。

その下のプロファイルのリマインダー機能では「4週間」にします。プロファイルは時間とともにズレてくるので、定期的に更新が必要です。そのため、4週間後に更新時期を知らせる通知が来るように設定します。

環境光の監視の監視モードは「ON(自動)」または「ON(ユーザー通知)」を選択、環境チェックの頻度は「60分」にします。これは環境光を60分毎に計測し、計測した結果がプロファイルを作成したときの環境光との差が大きくなったときに、環境光を基にプロファイルを補正する機能です。この機能を使うには、環境光を計測するので常に計測器をPCに接続しておき、ディスプレイの周囲に置いておく必要があります。

 

以上の設定が完了したら、「プロファイルを作成して保存」ボタンを押します。作成したプロファイルはOSの色管理設定に設定されます。表示画面の右側では作成したプロファイルを色空間のグラフで表示したり、サンプル画像でプロファイルの適用前後の比較したりして確認することができます。

 

この確認で見ると、それらしいものが作成されていると思います。が、本当に正しいか検証するには、次に説明する「品質検証」を行います。右下にある「ホーム」ボタンを押して、最初の画面に戻ります。

 

②品質検証

ホーム画面で左上のメニューから「品質検証」をクリックします。下図のような画面が表示されるので、パッチセットタイプを「スタンダード」、業界標準ターゲットを「X-Rite ColorChecker Classic」を選択します。これは業界によりますが、分からなければ上記の本計測器メーカーのものを選択します。完了したら「次へ」ボタンを押します。

 

「測定を開始」ボタンが表示されるので、これを押します。画面の指示に従い「次へ」ボタンを押すと測定が開始されます。測定が完了したら、「次へ」ボタンを押すと、計測結果が表示されます。

結果のところが「合格」なら、キャリブレーション結果は良好です。が、その下のΔEタイプの許容範囲大きいと合格になるので、最大ΔE許容範囲を3にします。3より大きいときは仕事レベルではダメだという話らしいです。ΔEとは色差式の意味で、ΔE 2000はCIE2000のことです。色差は計測した色と人間が判別できる色(色識別域)の違いのことで、この違いを補正するため近似した式(色差式)にCIE2000があります。

 

画面右側には許容範囲のしきい値に近いパッチが、またはしきい値を超えたパッチがが黄色または赤色で表示されます。四角の左上が基準の色、右下が計測結果の色がそれぞれのパッチ部分に表示されます。パッチにマウスを重ねると詳細が表示されます。

 

「レポートを保存」ボタンを押すと、HTML形式で計測結果が保存されます。下図はそれをブラウザで表示したときの画面です。

 

最後に「トレンドに追加」ボタンを押します。これは過去の検証結果(ΔE)についてグラフ表示に追加されます。トレンドは「次へ」ボタンを押すと表示されます。

 

③ユニフォーミティー

ユニフォーミティーはディスプレイを3×3に分割して、それぞれのエリアでの発色の違いを計測するための機能です。ディスプレイは厳密にはどの部分でも同じように表示できないので、その違いを確認します。

グリッドサイズを「3×3グリッド」を選択して、「次へ」ボタンを押します。

 

「測定を開始」ボタンが表示されるので、これを押して画面指示に従い計測を行います。計測が完了したら、「次へ」ボタンを押します。

計測結果が表示されます。最初は左上の許容値レベルが大きいので、計測結果は緑色になっていると思います。

 

輝度%Δを下げるとそのしきい値に満たない部分が赤色で表示されます。許容値を大きくしても赤い部分が残ってしまう場合には、ディスプレイのその部分が劣化していることを意味するので、制作作業時にはその部分で色の確認をしないように注意する必要があります。あまりにも酷い場合はディスプレイを買い替えた方が良いです。

 

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