このサイトではBlenderやMaxwell Renderの使い方を初めての方でも分かり易いように解説したチュートリアルと藤堂+の作品やCGに関連した参考書、Webサイト、CG(VFX)を使った動画を紹介しています。
ライティング設定について解説します。MaxwellではライトのことをEmitterといい、オブジェクトにEmitterの属性を適用することで、それが光源になります。Emitterの作り方は、Materialsリスト上で右クリックし、「New Emitter」を選択します。
ライトの設定方法はいくつか用意されています。 カラーチャートまたは色温度でライトの色を選び、光源の強さを消費電力量やLuxなど物理単位で設定する方法。HDRIを使ったり、照明メーカーから提供されている実際の照明器具の光源データを記録したIESファイルなどを用いて設定する方法などです。まずは簡単な設定からやっていきましょう。追加したEmitterのプロパティをMaterial Editorで以下のように設定します。
この設定は光源の色を白、RGB(255,255,255)にし、その強さをPower & Efficacyで設定しています。 Powerはそのライトの消費電力で、Efficacyは電力が光に変換される時の変換率となります。 ここでは1000(W)という値を設定していますが、これはオブジェクトの大きさに光の強さが依存してしまうため大きめにしてます。後で違いを説明します。
Emitterを複製する場合は、Materialsリスト上でコピーするEmitterを右クリックし、表示されたメニューから「Clone Material」を選択します。コピーを4つ作ってみて下さい。1つは同じ設定のままにし、以下のようにemitterの設定をして下さい。左と真ん中のColorは大体近い色で構いません。
前のStepで作成したEmitterや上図の一番左の設定では光量で定義していますが、真ん中の設定では単位面積当たりの光量で定義しています。この違いは、前者は光源の表面積全体での光量を定義しているので、これを適用したオブジェクトの大きさに依存してしまいます。つまり大きければ光源から発する光量が分散され暗くなり、小さければ表面積が小さくなるので光量は集中するので明るくなります。一方、後者の単位面積当たりで定義したEmitterは適用したオブジェクトの大きさに依存しません。下図は同じEmitter設定を大きさの違うオブジェクトに適用した場合サンプルです。大きさに依存していることが分かります。
次にシーン内の光源を今回設定したEmitterだけにしたいので、Environmentパネルで「Sky Dome」に設定していたのを「None」に変更します。
では、「Render」ボタンを押してレンダリングしてみましょう。最初は一番右のmonkey5が暗くなっていると思います。これに適用されているemitterのスライダを6000くらいに上げれば光り出します。レンダリング結果は以下のようになったと思います。
上図のシーンデータは以下よりダウンロードできます。
同様にして、新たに2つのEmitterを作成して、それぞれに"erco_33496000_1xhit-de-ce_150w_shield-open.ies"と"erco_81630000_1xqt18_100w_beam-spot.ies"を設定します。
それではレンダリングしてみて下さい。IESに設定した光源が暗めに出るかと思いますが、Multilightのスライダを上げて調整してみて下さい。Light1~Light3に適用したEmitterの明るさも調整するとIESの光が見やすくなると思います。レンダリングした結果を以下に示します。
最後にIESファイルを適用するオブジェクトはなるべく小さい球にした方がいいとマニュアルには書かれています。これはIESデータは光源の周り360°を計測して作成されたデータであるため、計測状態を再現するような状態で使用するのが最も忠実に光源が再現されるとのことです。
上図のシーンデータは以下よりダウンロードできます(IESファイルも含みます)。