このサイトではBlenderやMaxwell Renderの使い方を初めての方でも分かり易いように解説したチュートリアルと藤堂+の作品やCGに関連した参考書、Webサイト、CG(VFX)を使った動画を紹介しています。

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Maxwell Renderチュートリアル

2.シーンの準備

まずはシーンがなければ話になりません。 Maxwell RenderおよびMaxwell Studioはモデリングするためのソフトではないので別の3DCGソフトでモデリングをし、それをObj形式などMaxwell Studioで読み込める形式にエクスポートしたものを使うか、3DCGソフト用のプラグインがMaxwell Render公式サイトで配布されているので、それを使って3DCGソフトからMaxwell Renderを使用する方法があります。

なお、Maxwell Renderが読み込むことができるファイル形式は以下の通りです。


  • OBJ
  • STL
  • LWO
  • PLY
  • XC2
  • DXF
  • 3DS
  • XML
  • NFF
  • FBX
  • Collada

では、シーンを用意します。 モデル作成時の注意点は以下の通りです。


  • なるべく正確にモデリングすること。かつシンプルに。

    物体のエッジは完全に鋭角になっていません。大小の違いはありますが角がある程度丸まっています。従って、オブジェクトも角を取っておくと、より正確に物体からの反射光が再現されます。よりシンプルなシーンはレンダリング時間、ノイズの発生においてより良い結果となります。


  • ライト用のオブジェクトを準備すること。

    Maxwellにはライト系のオブジェクト(Lamp、Spot Light等)がありません。 モデリングしたオブジェクトに光源の属性を適用することで光が発せられます。ただし、Physical SkyやIBLを使う場合はその限りではありません。


  • ライト用オブジェクトはできるだけ簡単な形状ですること。

    一番良いのは1枚のポリゴンです。円形などにしたいときはライトの形状をテクスチャで制御します。こうすることで余計なノイズ発生を抑えることができます(ノイズはシーンの複雑さや様々な要因に寄ります)。


  • ライト用のオブジェクトはなるべく他のオブジェクトと交差させない。

    ライト用のオブジェクトが他のオブジェクトと交差していると余計なレンダリング時間や変な結果を招くことがあります。


  • Maxwell上でのモデルの大きさを実物と一致させる。

    物理計算をするMaxwell Renderでは大きさは重要な意味を持っています。 3DCGソフトでモデリングしたオブジェクトがMaxwellに読み込まれたときの大きさを確認しておきましょう(確認は次ページの方法でモデルを読み込んだときにMaxwell StudioのViewport画面上のGridを見れば分かります)。Blenderの場合、1 Blender Unit = 1 mです(オブジェクトのサイズはMaxwell Studioに読み込んだ後でも変更できますが、使いにくいのでお勧めしません。XSIではプラグイン上で対応する大きさを設定することができます)。

これからの説明は下図のようなシーンを用いて解説していきます。 以下にObj形式のモデルデータがありますので、ダウンロードして下さい。MXS形式の方はモデルデータをMaxwell Studioに取り込んだ状態のものです。参考に置いておきます。


Obj形式のモデルデータのダウンロード
MXS形式のシーンのダウンロード

なお、MXS形式のシーンデータはCamera Viewに設定されています。シーン全体は下図のようになっています。また、既にオブジェクトには下図のように名称が設定されています。

シーン全体像とオブジェクト名称

このStepではBlenderからのObj形式をエクスポートする方法を解説しておきます。既にダウンロードしたObj形式のデータはエクスポート済みのデータですので、実際に実施する必要はありません。Blenderユーザーではない方は次のStepへ進んでください。


  • Blender上でモデリングしたオブジェクトを選択します。
  • メニューから「File」→「Export」→「Wavefront(.obj)...」を選択します。

    OBj形式でのExport

  • Obj形式ファイルの保存先、ファイル名を指定し、「Export OBJ」パネルが画面左にあるので以下のように設定します。なお、オブジェクトにSubSurfがかかっている場合には、パネル上の「Apply Modifiers」をオンにします(既にSubSurf ModifierをApplyしている場合はオフのままでいいです)。画面右上の「Export OBJ」ボタンを押してエクスポートします。

    Obj形式ファイル出力パネル

  • Obj形式ファイルが出力されたことを確認します。

インポートのやり方を解説します。Maxwell Studioを起動します。Viewport(画面説明は次の章です)上で右クリックしてメニューを表示させ、「Import」を選択するか、メニューバーから「File」→「Import」を選択します。読み込むファイルを聞いてきますので、インポートしたいObj形式ファイルを読み込みます。 このときShiftキーを押しながら選択すると、一度に複数ファイルを読み込むことができます。 読み込む際にMaxwell Studioでは同じオブジェクト名を付けてしまうので、下図のように同じ名前のオブジェクトをどう扱うか聞いてきます。図のようにチェックを入れ、「Apply」ボタンをクリックします(オブジェクトの数だけApplyボタンを押す必要があります)。


重複読み込み時の問い合わせ

読み込んだら、Maxwell StudioのObjectsリストに表示されます(Objectsリストは画面の右側にあります。詳細は次の章にて)。Step 3の図のように名称を設定してください。名称の変更方法はオブジェクト名を選択し、「F2」キーを押して名称を入力します。