このサイトではBlenderやMaxwell Renderの使い方を初めての方でも分かり易いように解説したチュートリアルと藤堂+の作品やCGに関連した参考書、Webサイト、CG(VFX)を使った動画を紹介しています。

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Maxwell Renderチュートリアル

19.カメラの設定

既にカメラはシーンに設置され、ISOやShutterといったパラメータを使っていますが、その他に知っておいた方がいいものを解説します。使うシーンは前の章の最後に使ったIBLのシーン(2つ目の)です。下図のようにPositionなど設定値を変更してください。また、ISOは100に設定するとEV Numberは下図のようになります。


カメラの設定定

この設定にするとViewport(Camera視点)上での真ん中に表示されているDOF設定値が変化し、サークルが青くなったはずです。画面にサークルなどが表示されていないときは「I」キーを押して表示させます。青色は現在見ている中心部分がDOF(=被写界深度のこと。DOFの範囲内が焦点が合った状態になり、範囲外ではボケます)の範囲より手前にあることを意味します。赤い部分はDOFの範囲より遠くにあることを意味します。表示パラメータのFDはFocal Distance、NearはDOFの手前側境界の位置、FarはDOFの奥側境界の位置、DOFはその範囲の長さです。


Viewport上のカメラ設定値表示

ではレンダリングしましょう。以下がその結果です。DOFの設定はFocal Disrtanceとf-Stop値によります。この場合、Focal Distanceが遠くにあり、f-Stopが小さいためDOFの範囲も狭い状態になっています。手前がボケてDOFの範囲に近づくにつれて焦点が合っていくことが分かります。


DOFのレンダリング結果

次にCamera ParametersのFocal Distanceを1.521に上げます。すると、Viewport上のサークルやカメラ設定値が変化したことが分かります。また、ViewportのGridの一部が黒くなっている範囲が手前に移動してきたことが分かります。この部分がDOFの範囲です。この設定では手前側のmonkey5近辺に焦点が合っていることが分かります。


Viewport上のカメラ設定値表示

レンダリングしてみましょう。手前側に焦点が合っていることが分かります。


DOFのレンダリング結果

今度はf-Stopを35にします。これはDOFの区間の範囲を大きくしています。Viewport上のDOF設定値もInf=無限になり、シーン全体に焦点が合っている状態になります。f-Stopはカメラの受光部に進入する光の量を調整するもので(いわゆるは絞りです)、大きい値では光の入射がより制限されるため、この状態でレンダリングすると暗い画像になるので、Shutterを20、ISOを2000に設定します。これをレンダリングした結果は以下の通りです。


DOFのレンダリング結果

Shutterを500、f-Stopを1、ISOを100に戻します。ここではCamera ParametersのRoll Angleを上げていきます。それに伴いシーンも回転していきます。また、同パネルのShift Lensを変更すると今の視点のままレンダリング画像を水平方向、垂直方向にシフトさせることができます。Shift Lensは建物の外観シーンなどで使うといいでしょう。ここではRoll Angleを25、Shift LensのOffsetの2番目のパラメータ(垂直方向)を-5%にします。これでレンダリングした結果は以下の通りとなります。


DOF+Shift Lens、Rollのレンダリング結果
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