このサイトではBlenderやMaxwell Renderの使い方を初めての方でも分かり易いように解説したチュートリアルと藤堂+の作品やCGに関連した参考書、Webサイト、CG(VFX)を使った動画を紹介しています。

CGrad Project Logo

Maxwell Renderチュートリアル

14.コーティング

コーティングとはマテリアルの表面に薄い膜のマテリアルを付けることです。これにより車のペイントのような表面に艶を付けたり、油のような虹色の膜を付けたりすることができます。それではmonkey1~5に設定されたマテリアルを全部削除します。新しいマテリアル作成して、今回は分かりやすいようにガラス状のマテリアルにコーティングを追加します(ガラスでないとダメなわけではないです)。ここではガラスのマテリアルをWizard機能を使って作成してみましょう。新しいマテリアルをMaterial Editorに表示している状態で、Material Editorのメニューから「Wizards」→「Glass」を選択します。


Material EditorのWizard機能

ガラスのタイプを聞いてくるので、透明度の高いガラスである「High Grade」を選択し、「OK」ボタンを押します。すると、ガラスの設定が反映されます。


GlassのWizard画面

Material EditorのMaterial Properties上で右クリックし、表示されたメニューから「Add Coating」を選択します。


Coatingの追加

これでCoatingのプロパティが追加されました。なお、CoatingはBSDF1つに対し1つだけ設定することができます。Coatingのプロパティを選択して、表示されたプロパティのThicknessを130nmに設定します。これはCoating層の厚さの設定ですが、この厚みにより表現されるCoating層の色が決まってきます。同様にしてThicknessが200nmのマテリアル、220nmのマテリアル、420nmのマテリアルを作成します。


Coatingの設定1 Coatingの設定2 Coatingの設定3 Coatingの設定4

更に新しいマテリアルを作成し、今度はThicknessにconcentric.pngテクスチャを設定します(テクスチャはMaxwell Renderのインストールフォルダにあります。フォルダは10章 Anistropyマテリアルにて説明しました)。そして更に、Thicknessの下にあるMin/Maxを100と300に設定します。これはテクスチャのある白い部分がMaxに設定した値のThicknessになり、黒い部分がMinに設定したThicknessになることを意味します。


Coatingの設定5

下図がTexture Pickerの画面です。各パラメータはデフォルトのままにしておきます。


Thicknessをテクスチャで設定

さて、作成したマテリアルをmonkeyに適用します。最後に作成したテクスチャによるThicknessの設定をしたマテリアルをmonkey2に適用し、他は順にmonkey1から適用します。レンダリングしてみましょう。以下のようになったはずです。


レンダリング結果

サンプルシーンのダウンロード