このサイトではBlenderやMaxwell Renderの使い方を初めての方でも分かり易いように解説したチュートリアルと藤堂+の作品やCGに関連した参考書、Webサイト、CG(VFX)を使った動画を紹介しています。

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Maxwell Renderチュートリアル

12.レイヤによるマテリアル設定

レイヤを使ったマテリアル設定について解説します。が、その前に解説しておかねばならないことがあります。マテリアル設定をする際、設定はMaterial Editorで既に扱ったようにBSDFというものに設定しています。これは1つのレイヤにいくつも追加することができます。複数のマテリアル設定がある中でそれぞれの度合いをコントロールするにはWeightを設定します。前の章で作成したマテリアルを削除し、新たに1つマテリアルを作成しmonkey1に適用して下さい。monkey1においてReflectance 0をRGB(0,0,240)に設定し、次にMaterial EditorのMaterial Propertiesという部分で右クリックし、メニューから「Add BSDF」を選択します。すると、Material Propertiesにもう1つBSDFが追加されます。追加されたBSDFのReflection 0をRGB(240,0,0)に設定します。


BSDFの追加

このマテリアルでは2つのBSDFのWeightをデフォルトの100のままにします。これは2つのBSDFの設定がレンダリング結果に50%ずつの割合になるように出力されるようになります。2つのBSDFのWeightを50にしたときも同じ意味を持ちます。つまり、Weightは合計が100を超えても、それを100%としたとき何%になるか勝手に変換してくれます。


Weight値

続いて、Materialsリストで先程作成したマテリアルを「Clone Material」で複製します。その後、青色に設定したBSDFのWeightを10、赤色に設定したBSDFのWeightには90を変更します。これをmonkey2に適用します。次に、このマテリアルを複製し、今度は青色に設定したBSDFのWeightを90、赤色に設定したBSDFのWeightを10にします。これをmonkey3に適用します。


異なるWeightの設定 異なるWeightの設定

monkey4にはmonkey1に適用したマテリアルを複製し適用します。そして、Weight値の横にあるBoxをクリックして、9章で使用したchecker.pngを青と赤のBSDFにそれぞれ読み込みます。ただし、赤色BSDFのWeightに読み込む時だけTexture PickerのInvertをオンにします。これはchecker.pngの白い部分のWeightが100に、黒い部分が0になるので赤青それぞれが交互に表示されることになります。


checker.pngを読み込む 青色BSDFの設定 赤色BSDFの設定

monkey5にmonkey1のマテリアルを複製したものを適用し、今度は青色のBSDFのWeightにのみchecker.pngを読み込みます。そして、Ndを30、Roughnessを1にします。赤色のBSDFは変更しません。これはchecker.pngの白い部分が100になるので、その部分だけ反射のある面が赤色のBSDFと50%の割合で混ざり合うマテリアルになります。


異なるWeightの設定

それではレンダリングしてみましょう。

レンダリング結果

サンプルシーンのダウンロード

次にmonkey1のマテリアルを選択し、Material Editor上のMaterial Properties上で右クリックすると表示されるメニューから「Add Layer」を選択します。すると、BSDFデータが1つ含まれたLayer2が作成されます。Layer2のBSDFでReflection 0を緑色RGB(0,240,0)を設定します。続いて、monkey2でも同様にレイヤを追加して緑色を設定します。今度は更にMaterial Properties上でLayer2をクリックしてOpacity/Maskを50に変更します。monkey3についても同様にしますが、Opacity/Maskには今まで使ってきたchecker.pngテクスチャを読み込みます。

レイヤ設定1 レイヤ設定1 レイヤ設定1

monkey4では既存のマテリアルは削除して、monkey3に設定したマテリアルを複製したものを適用します。ただし、今度はLayer PropertiesのLayer Blendingを「Additive」に設定します。これはレイヤをScreenで重ねたようにします。デフォルトの「Normal」は単に重ねるだけです。monkey5はmonkey1のマテリアルを複製し、Layer Blendingを「Additive」にします。


レイヤ設定1 レイヤ設定1

レンダリングした結果は以下の通りです。


レンダリング結果

monkey1はBlendingモードがnormalでWeightが100でレイヤが設定されているため、下のレイヤが表面に現われていません。Material PropertiesのリストはPhotoshopなどと同じようなレイヤとして機能します。一方、monkey2はWeightが50になっているので、上のレイヤが50%の透明度になっているので下のレイヤとブレンドされて表示されています。monkey3はOpacity/Maskに白黒のチェック模様を設定しているので、白い部分が完全な不透明になり上のレイヤの緑色が現われ、黒い部分が完全な透明になって下の青と赤のブレンドされた色が出ています。monkey4とmonkey5は先に説明したようにadditiveに設定しているようにScreenのようにブレンドされます。


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